神秘の海面 ウミショウブが雄花を放出

 6月15日午後2時40分頃、石垣島伊土名の海岸から野底の海岸にかけて、ウミショウブの雄花が海水面上を走り抜けていくのが見られた。

 この日の天候は荒れ模様で、雨は降ったり止んだり。そんな中、海原に強い流れが見えて、達磨型の白い雄花が次々に風に乗って現れ、消えていった。

 ウミショウブには、雄花と雌花があり、雄花は水底近くに雄花放出口があらわれて、水中へひっそりと雄花を放出する。

 雌花は最大干潮のときにゆっくりと開花して、水位も雌花が水面に出る状態になって雄花が漂着するようになる。やがて潮が満ちてくると、開いた雌花は閉じて受粉を達成する。

 大自然が生み出した潮の干満を利用した受粉は珍しく、ウミショウブ自身、八重山が北限で、国内では八重山でしか見られない現象といえる。

 この日、数人の見学者が現れて、受粉を観察。大自然の不思議な受粉を、じっくり観察していた。

(流杉一行)

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