石垣港新港地区旅客ターミナル暫定供用式典

 4月21日午前10時半から石垣港新港地区旅客ターミナル式典が開催された。

 石垣港は、昨年の日本へのクルーズ船寄港回数が国内5位の132回で、なおも今年は158回を予定するなど、活況を呈する状況にある。一方で石垣港はクルーズ船専用バースが未整備で、これまで本港地区の貨物専用バースで受け入れてきた。

 今回、暫定供用開始となったのは、サザンゲートブリッジの先に広がる石垣港新港地区に建設中の旅客ターミナルで、将来20万トンクラスのクルーズ船が接岸可能となる岸壁が用意されたクルーズ船専用の施設。目下、完成時は全長420mとなる内の340m分が今回暫定供用となったもの。

 この日、石垣市長中山義隆氏が式辞に立ち、平成8年頃からクルーズ船が就航し、平成14年にはじまった港湾計画で大型クルーズ船の整備がはじまり、大型クルーズ船の入港増加から現在の整備が進められていることを述べ、またこのターミナルが完成すれば沖止まりの船はすべてこの専用バースに着岸できると述べ、この旅客ターミナル工事は石垣港港湾事業所の国の直轄事業と市の補助事業との連携で実施しており、周辺の緑地整備を含めて取り組んでいくことを述べていた。

 また、内閣府沖縄総合事務局長の能登靖氏が式辞に立ち、本日、岸壁の延長は295m、水深9mでの供用開始となり、7万トン級までのクルーズ船が利用可能となることを述べ、本格供用したあかつきには、世界最大級の20万トンの船舶が接岸可能となることを述べていた。

 このあと福井沖縄担当大臣が挨拶に立ち、八重山方言で挨拶をして見せながら、クルーズ船の新たな受け入れ体制を構築し、「観光客の満足度及び安全性の向上」「着地型観光」の充実が図られるよう、沖縄観光振興を積極的に支援していきたいと述べていた。

 高橋国土交通省大臣政務次官も挨拶に立ち、政府目標「訪日クルーズ客を2020年に500万人」の実現に向けて国土交通省が石垣市と連携して、引き続きクルーズ船の受け入れ整備に取り組んで、地方創生の実現に全力を尽くすと述べていた。

 このあと、事業説明を実施したあと、くす玉割りとテープカットがおこなわれて、ターミナルの暫定供用開始を祝していた。

 このあと石垣中学校郷土芸能クラブによる演舞が披露され、会場は華やかな雰囲気に包まれた。この供用式の最中には、スーパースターヴァーゴが入港しており、船長および関係者への花束贈呈もおこなわれて、和やかなムードで閉式となっていた。

 暫定供用された専用バースには、7つの20万トンクラス用の係船曲柱(ボラート)が設置されており、巨大な係船用の装置のお目見えは、八重山初であり、20万トン受け入れの象徴する装置といえた。

 なお、現在340m分のターミナルが今年度中に完成する予定で、2019年度春には20万トンクラスが入港可能となる(2020年春)。2020年度春には新港防波堤も建設され、さらに将来的には隣に水深12mのクルーズ岸壁も可能となる。

(流杉一行)

この記事をシェアする