12月23日(土)午後3時より、おもと農村多目的集会施設において「おもと入植60周年記念式典・祝賀会」がおこなわれた。部落住民を中心に、出身者、関係者が施設いっぱいに集い、久しぶりの温かい一日、大本小学校児童、八重農郷土芸能部の余興などを大いに楽しみ、部落の入植60周年を祝った。
会はまず黙祷からはじまった。1957年の入植から60年。先人への感謝である。
「この村で暮らし労苦を共にし亡くなられた方々への感謝を込めて黙祷を捧げたいと思います」(司会)
公民館役員の「かぎやで風」で座開き。
入植1世の喜友名朝徳さん(94)の乾杯の音頭
「沖縄本島から18世帯、与那国から2世帯。(1957年)5月に先遣隊がまず入植し、12月23日に家族を迎えたので(この日を記念して)毎年公民館で集まって部落の絆を確かめています。クワとツルハシで開墾して非常に苦労しました。今は機械がやるもんですから非常に楽で楽しく仕事をしております。この60周年を共にお祝いしていただきますようお願いします」
「ぬやま(野山)しちならち(敷き均し)はるぢゅくい(畑作り)済まし栄てぃいく大本いちゆ(幾世)までぃん。乾杯!」
*喜友名さんは「免許は返したけど、トラクターはばんない(笑)」(司会)
熱い心の(司会)公民館長あいさつ
「60周年まことにおめでとうございます。沖縄本島北谷村、玉城村、与那国から入植。血のにじみ出るような努力をして切り開き、ユイマールの精神で互いに励ましあい慰めあい、この場所で必ず成功して見せるんだという固い精神力でおもと部落が生まれました。先輩方が築き上げてくれた部落をみなさんとともに心を一つにこれからも頑張っていこうじゃありませんか。どんな困難にも立ち向かっていけると私は信じております」
八重農郷土芸能部余興
来賓祝辞の漢那大本小学校長
「はいたい、ぐすーよーちゅううがなびら、おもと部落入植60周年記念やいびーん、きゅうぬゆかるひに、うまんちゅとぅむどぅむお祝いさびら」
「於茂登の自然環境に合わせた農作物を栽培され、心ゆたかに逞しく生きるおもと部落の皆さま。ほんとうに記念すべき入植60周年おめでとうございます」
「新しい大地で育ちともに地域や文化を守り続けていくことが、次世代の子どもたちへ残す財産としてつないでいけるよう、また、大本小学校職員としてかかわらせていただいたことに感謝したいと思います」
「おもとに住みたいなあという気持ちがますます募ってきたので、どうしようという感じです(笑)。おもとに住んでいらっしゃる方うらやましいです」(大喝采)
漢那校長作成のビデオ放映
50周年記念誌からの写真に「なつかしい」の声。
喜友名朝徳さん作詞、日出克作曲の「大本節」が披露された。
「大本節」
1.二抱き 三抱きぬ 石ん 押し除きてぃ
根ぬ石 持ち上ぎ 畑 作ら
2.松 樫い ドゥスンぬ 根ゆ しち転ばし
作い むじゅくい 見事 世果報
3.大本岳 くさてぃ 水ぬ 豊かさや
数々ぬ 畑に 雨ゆ 降らち
4.野山 しちならち 畑作い しまち
栄てぃゆく 大本 幾世までん
5.美ら畑 作てぃ 子孫に 渡ち
年寄たる 主や 笑い ふくい
6.山から 吹く風 涼々とぅ 香さ
おもと 真清水や うすでぃ 愛さ
7.流り行く 年や 早馬ぬ 如に
今日ぬ 吉日に 萬人 共々 御祝さびら
(きょうの喜友名さんの乾杯の音頭の時の歌は、「大本節」の4番)
八重農郷土芸能部
鳩間節、白保節、繁昌節、真謝井戸
八重農郷土芸能部新城部長あいさつ
「60周年おめでとうございます。一から土地をつくりみんなで助け合って開拓をしたとお話を聞きました。私たちのモットーである『結い』だと思いました。そのことを忘れずにこれからも練習に励んでいきたいと思います」
大本小学校児童4人の踊り「目出度節」
八重農郷土芸能部
マミドーマ
司会を務めた嶺井善さん、
「華々しい余興のあいだではありますが、公民館の床下から50周年の時の3合瓶が出てきたので開封したいけどいいですか(拍手)。10年前のことを思い出しながら味わっていただきたいと思います」
嶺井さんは来年の大本小学校60周年期成会長をつとめることに。
「若輩ですがよろしくおねがいします」
「末永く小学校がつづきますようにご協力をよろしくお願いします」
八重農郷土芸能部
「万歳三唱」の喜友名茂さん
「いろんな苦労でこの地域は出来上がったと思います。60年。人間でいえば還暦です。しかしウチの地域はこれからなんですよ。学校も先生方もしっかりしている。我々はまだまだ頑張らないといけない。70年80年歴史を積み上げていかねばならない。そのためには昔のユイマール精神、地域団結、それがなければ地域は滅びてしまいます]
「ユイマール精神で地域づくりに頑張りましょう。おもと部落、大本小学校がますます繁栄していきますよう、そして地域の皆様がますます元気であられますように、万歳!、万歳!、万歳!」
大城副公民館長の閉会のことば
「みなさんの部落を思う気持ちで、立派な60周年の祝賀会ができたと思います。とくに八重山農林高校郷土芸能部の、心強い、生き生きとした、見事な芸に、涙が出るほど感激しました。ありがとうございました」