10月17日午前10時から石垣市登野城のまるたか農園で南の島々から八重山の味つたえ隊(池村多喜美隊長)による八重山の祝膳講習会が開催された。
八重山には独自な伝統料理や郷土料理があるが、多忙な現代社会では、オードブルなどに押されて、家で古くから伝わる手の込んだ料理が忘れられつつある。
忘れかけている昔ながらの祝膳のやり方を再認識しようと、この日、同隊メンバー集まって祝膳づくりを学習した。
講師は同隊の高西タマ子さん(81)が担当。この日、祝膳が「赤飯」「汁物」「なます」「大皿」「カキアイ」「豆」「ジーマミドーフ」の7品で構成され、その中の「汁物」が八重山では重要な位置を占めることを教わっていた。
汁物だけが1の膳、2の膳、3の膳と、3種が用意され、1の膳は花コンブと呼ばれる昆布とかまぼこ、および卵で巻いたほうれん草が入ったお澄まし汁。
2の膳は「まいぬみそ」と呼ばれる米の味噌からつくられ、大根、ニンジン、ゴボウ、キクラゲなどが入った、「いなむどぅち」に似た汁物で、3の膳は汁そばで、これらが順番に出されるとのこと。
高西さんは「昔はウズラがたくさんいて、葛を枯らしたものを盛り上げて置いておくと、ウズラが卵を生みに来る。その卵を太陽にかざすと、成育が進んでいる卵か食べられる卵かを見分けることでき、そうやってウズラの卵も、祝膳料理につかった」と、今より自然豊かだった時代を振り返るなどしていた。
なお、この取り組みは、祝膳の残る6品についても予定しており、薄れつつある八重山の祝膳の再確認に同隊は力を注ぐ模様。
(流杉一行)