2月15日正午頃から社会福祉法人沖縄県社会福祉事業団八重山厚生園でユマニチュード講習会が行われた。この日、10時から同施設内でケアを拒否する認知症の高齢者に実地でユマニチュードによる施術を指南。その様子をビデオ撮りして、この日の講演で公開。ビデオを見ながら、ユマニチュードの方法を細かに習っていた。
講師のジネスト氏は、ケアを拒否し暴力的になった高齢者に対して、介護する側にとって、ケアは仕事のためだけになり、そのような関係性は、良い結果につながらない。ケアを拒否する人に力ずくではやらないこと。時間をかけゆっくり近づき、認知機能が落ちている分、工夫が必要。まず痴呆の高齢者はケアの意味も分からないため、駆使する道具は「やさしさ」と「愛」である。とジネスト氏は述べていた。そのあと、通訳の本田さんが立つことの重要性と足は血液循環にはポンプの役割があることから健康にも重要なことを説明。また本人の歴史を知り、何が好きで、何を大切にしているかを押さえることが大事とも。
この日、施設内の33人が講習に参加。八重山厚生園園長の慶田盛誠氏は、「ユマニチュードにより、これまでコンタクトがとれなかった人がとれるようになる。まず高齢者をより理解することが大切で、老人が不要なストレスを持たないケアの方法を学びたい」と述べていた。
なお、昨日、ホテル日航八重山で催されたユマニチュード講演会は、約400人の聴衆が集まり、じっくりとジネスト氏の講演を聴けた模様。昨年より2度目の来島となったジネスト氏は、痴呆症の老人へのケアの指導で全国から引っ張りだこ。そんな中での石垣島へ2度目の来島はありがたい限りだ。
(流杉一行)