10月24日は日米共同の実働訓練「レゾリュート・ドラゴン」の公開日。
午前11時18分、新石垣空港に自衛隊のオスプレイが飛来して、第一エプロンに降り立ち、オスプレイへの給油口に適切な給油をする装置を取り付ける訓練や、傷病兵をオスプレイで運ぶ訓練が米海兵隊一人と、陸上自衛隊救護隊員4人によって実施する訓練が2度行われた。
また、午後2時からは石垣島於茂登前岳の麓に建つ陸上自衛隊石垣駐屯地で陸上自衛隊西部方面隊と米国第3海兵機動展開部隊の両トップによる共同記者会見が実施された。
自衛隊のクロスドメインと米軍のマルチドメインの融合一体化による作戦の連携向上ぶりが、次の段階に入ったことを表明。合同訓練の意義を発信していた。
2021年12月から日米合同の実働訓練は日本全国で実施しており、今回、10月14日から31日にかけて沖縄では合同訓練は初の実施で、九州・北海道でもこれまで同様、連携向上に向け取り組んでいる。
駐屯地では、03式中距離SAM、12式地対艦ミサイルの各部隊が射撃準備を披露。米軍海兵隊の対空レーダーによる敵の探知と射程計算を想定しての情報共有を実施。連携を深めた模様。
この日の午前に行われたオスプレイへの訓練で実施された救護搬送では、最初、自衛隊の救護装備で行われた模様で、傷病兵役は自衛隊員。2度目の傷病兵役は米国海兵隊員で、運び役の陸上自衛隊員4人に、オスプレイへの搬入に手慣れた海兵隊員が指で指図する様子が、公開されていた。両国で互いに言葉を理解することの難しさを、克服すれば、連携もスムーズにいくものと思われる。
この日、第一エプロンが見える場所から金網越しに、日米合同訓練に反対する市民団体約10人が、オスプレイの離陸体制で空港に近づくとともに、「オスプレイは帰れ」「島を戦場にするな」と、マイクで叫んで強い調子で日米合同訓練に反対していた。
抗議に駆け付けた70代の女性は、騒々しいオスプレイを見て「この光景を見て思いだすのは、ベトナム戦争で兵士の死体を運ぶ様子です。恐ろしい。」と述べ、戦争が近づいてくるような感じを受けたと語っていた。
共同訓練反対を叫ぶ市民の一人は「今回の訓練では、米軍がレーダーで事態を教えて、自衛隊の行動を指揮するような形を見せることになるのは、予想できる」と述べ、「駐屯地の建設を容認している市民にとっても、この事態は日本の主権がどこにあるか、わからなくなってこないかと思う」と、合同訓練が進むことで、市民全体に将来への不安が募るはずと述べていた。
石垣駐屯地で午後から記者会見の開催を知る市民らは、駐屯地の入り口に集まり、抗議活動を実施。
「駐屯地ができれば、米軍が来ると、我々はいっていた。そしてその通りになった。」と、憤りを示し、「このまま、どうなってしまうのか」と、将来の不安を訴えていた。
記者が思うに、
単一民族の意識が強い日本に、万が一にも甚大な犠牲が自衛隊員に起こってくることで、国民に意識面で何が起こってくるか。世界中から集まる移民でなる大国の米国に、その危険性が果たして予測できるのか。
ここのところ、世界の紛争の火種が偶然のように連続して吹き出している。どこも民族間の歴上の不幸が、積み重なっている。一度入った憎悪・遺恨の傷は、癒すのにどれだけかかるか。
平和のためには、互いに遺恨が起こることを極力なくすことがもっとも大事であり、武器を持って偶発的な惨事が起こることこそ、もっとも危険なこと。
各民族が保持する独自なもの。これを対象化できないと、勝手な解釈で自分色の正義で追い込む習性が、大国や優位の立場の人の手で行使される。そこを知るレーダーが未開発で、ホモサピエンスの足りないものであることを、認めることからはじめるべき。国家間で連携を図ることでも見えてこよう。
憎悪・遺恨から生まれる紛争が、結果的に稼ぐことになる資本があるなら、そこに自由は与えて良いのか。世界中が真剣に考える機会となっている。
(流杉一行)