石垣島パインマンゴー出荷式 八重山郵便局

 中元商戦本格化を前に、すでにユウパックの販売促進に努める郵便局は、恒例の夏のイベントを始動。すでに宮古島で実施しており、今期は最南端からとはいかない出荷式となった。

 6月20日午前10時から石垣市大川の八重山郵便局で石垣島パインマンゴー出荷式が開催された。

 この日はコロナ禍に中止され3年ぶりとなる子供エイサー会によるオープニングの演舞もおこなわれ、大いに盛り上がっていた。

 会場には、約60人が集まり、賑わいある中での出荷式となり、コロナ禍から抜けつつある空気が感じられた。

 冒頭、八重山郵便局長の座波政人氏が主催者あいさつに立ち、昨年来、観光客の入客数がコロナ禍の前の状況に戻りつつあり、喜ばしいと述べ、今年も昨年に引き続きこの出荷式ができたこと、またオープニングの子どもたちの演舞も3年ぶりに見られたことを大いに喜んでいた。

「夏の味覚パインマンゴーを全国のこころに」をキャッチフレーズに、郵便局は石垣島の甘くておいしいパインマンゴーを全国に紹介し、ゆうパックの拡大に取り組んでいる」として、「県内外を問わず好評をいただいて、本日の出荷式をきっかけにより多くの人に、石垣島の農家が丹精込めて生産するパインやマンゴーを夏の贈り物として選んでもらえるようお願いします」と、呼びかけていた。

 また農家へ向けて、暑い盛りの収穫作業や台風2号の対応作業を労いつつ、昨年まで続いた航空便の減便も是正され、直行便も含めて、輸送の不安は払しょくされているとして、航空会社の尽力による中型機の導入から、輸送面は順調にあることを述べていた。

 このあとあいさつに立った中山義隆石垣市長は、他の産地との差別化を図り、「石垣島産は絶品、おいしい」に確信をもって、県内外でトップセールスを展開したいと述べていた。また「新空港の開港10周年の今年は、熱帯果樹の生産拡大や流通体制の利便性の向上、国内への移出の拡充を見据えて、取扱量が一段と増えることを期待している」とも述べていた。

 農家代表として立った、ゆうパックの会の平安名貞市会長は、「送られた人から『これは新鮮でおいしい』という声が殺到し、送り主が「おくってよかったな」と思われるものを送っていきたいと思っています。今年の目標、パイン3万9000箱、マンゴー1万3000個の計5万2000個は達成できると思う」と述べ、もっと増えて6万個になることを願っているとしていた。

 最後は出荷伝達式と称する、生産者代表から航空会社、市長、八重山郵便局長に加え、日本郵便沖縄支社長、那覇中央局長、先島地区統括局などを経て運送員に手渡す儀式がおこなわれ、満載のワゴン車は空港に向かって郵便局を離れ、参加者はトラックの出発を見守っていた。

 (流杉一行)

 今年は、昨年の10月の大雨や1月2月の日照不足がたたり、農産物への影響は厳しいものがある。加えて台風2号。通過まで長くかかった台風は、農家には厳しい。6月この時期、日差しよけにパインにおおう黒い網をはがす必要がある。
 パインもハワイ種が出るタイミングが例年よりも遅れていて、この日ふるまわれた出荷式のパインは、ゴールドバレルではあったが、どこからしさが低減していた。
 ただ、この日の八重山地方は快晴で、少々梅雨明けを思わせる雰囲気があったが、高温が厳しい反面、空も海も薄く雲が張り、視界が悪い靄(もや)った状態。水蒸気が多く見られて、梅雨と真夏が重なった状態に感じられ、不思議な光景でもあった。
 夏至前日でもあり、日本最南端エリアで北回帰線にもっとも近いエリアのこの日の日差しこそ、太陽から降り注ぐものとしては国内唯一のもの。
 日差しが糖度を高めると農家の平安名さんは述べていた。
 国内のどこでも体験できない日差しが、八重山のパインの甘さに利いているとすれば、面白い話だが、科学的な話ではない。誰か研究してくれないものか。
 

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