4月5日午前7時半過ぎに石垣市新栄町の石垣漁港の水揚げ場に、海のダイヤとも称されるクロマグロの今期初水揚げが行われた。
第一あずさ丸が4月1日に捕ったもので、4月4日に同港に入港し、この日、6日の本土市場への出荷目指して水揚げしたもの。
洋上の船から連絡では小ぶりで100キロ程度との話だったが、船底からリフトで釣り上げ、出てくると、周囲からため息が漏れていた。一年ぶりのクロマグロの巨体を目の当たりにすると、やはり驚きの気持ちが湧いてくる。
実際に計測すると120キロあり、船長も「最初はメバチだと思っていたが、クロマグロとわかるとうれしかった」と、最初のクロマグロを獲った感想を述べていた。
水揚げされると、船長と乗組員で記念撮影がおこなわれ、集まった人もいっしょに撮影。体長と体重が測られると、即座に段ボールに入れられ、氷が詰め込まれて、豊洲に送られた。
なお令和5年度の大型ホンマグロの沖縄県の捕獲可能量は147トンで、4月1日から7月31日までの捕獲可能量は131.3トン。留保枠は13.7トン。
3年ぶりに航空会社の便数制限がなく、市場への輸送の便がスムーズにいけば、クロマグロはしばらく島内には出回らない、コロナ前に戻ることになる。
5月のゴールデンウイーク過ぎるまで、島内には出回らなかったクロマグロのお預け期間が、復活となる。
島民には、コロナ禍の3年間だけ、ウミンチュには困った事態ながら、有難いことでもあり、ひとつの楽しみになりつつあったが、いつかは戻ることはわかっていたこと。
ただ、そこは、やはり少々寂しい。一部の漁業者が、市場での高値が見込めずに、島民向けのクロマグロに回すときを待つしかない。
(流杉一行)