11月29日、八島町の東端の登野城養殖場に軽石が侵入して、水面を茶色に染めている場所が発見された。
この日の朝に漁業者が発見。第11管区海上保安部が発表していた、桜上水の南で発見の軽石の漂流群帯が、南風に乗って北上し、養殖場の東側の防波堤に吹き寄せられ、貯まったものが、養殖場に通じる通水穴から養殖場に侵入。
察知して通水穴を塞いだとされるも、侵入は止まらず、養殖場は黄色い軽石浮遊物に晒されていた。
午前11時には、強い南風で防波堤側には漂着する軽石が貯まり、茶色い浮遊物でテトラポットの水面が占められていた。
駆け付けた漁業者は、「これは困ったことになった。どうすることもできない。」
「ひとつの生け簀には侵入されたが、ほかはまだ大丈夫。」
「小さな漁船は、エンジンを冷却するバルブにフィルターがないから心配だ」
と、一挙に暗転する事態に、戸惑っていた。
石垣海上保安部は、陸域での事態ととらえて、侵入する軽石には石垣市港湾課への通報で様子見の情勢。
石垣市も、対処に向けた話し合いを開始。フェンスの設置や、港湾への影響を見届けながらの、どんな手立てをするか、情報収集に奔走している模様。
29日に石垣島への到達をシュミレーションで情報リリースしていた国立研究開発法人海洋研究開発機構の示した通りとなった。
漂着している軽石はどの範囲で、島に影響を与えるか、情報収集が盛んに起こなわれている模様。
(流杉一行)
なお、真栄里海岸では、ANAインターコンチネンタルがフェンスを用意してすでに、軽石漂着に対処。来る前からフェンスで待ち構えていた。まだ、真栄里海岸には漂着は見られていない。
<11月30日>
軽石が来なくなる 14時頃から救いの北風
有難い北風に寄り、軽石が南下しはじめた。
11月30日午後4時頃、八島町の養殖場東の防波堤の先は、昨日の軽石の流れが消え失せ、テトラポットに溜まった軽石も、流され風に乗って南へ返されていた。北風様様である。
11月25日あたりから小笠原方面から吹く東風で、宮古島の東に北から真南に流れていた軽石群が、東風によって、八重山諸島に寄せられて、11月29日になって、とうとう石垣の養殖場への大量漂着が起こってしまった。
その後、明くる30日の14時から北風が大陸より吹き込んで、石垣島の東側の海に届いたことから、軽石の帯の群れは、南へ流れている。
目下、台風が発生し、東風を後押ししているために、まだこの先の同行は不明な点が追い。
11月4日あるいは5日から、北東に風向きは変わり、沖縄本島の軽石が宮古・八重山に向かってくる。5日以降は、東風となり、7日の午後にまた北風が優位となってくる。
一方、南へ去った軽石群が、黒潮に当たると流れに乗ってしまうのではないか。そこに今度は北風に当たると、洋上でまとまりはじめないか。晴れた日に、南風が吹くと黒潮に乗って超高速で与那国や西表に現れるような気がする。
10月末から南へ去った軽石が、黒潮の流れに乗って戻ってくる可能性が、どれだけあるのか。気になるところだ。