11月27日午前9時30分から石垣市農業委員会による令和2年度農地パトロールが実施された。石垣市農業員会(兼元光誠会長)のメンバー10人が参加して午後4時まで市内19か所を巡った。
農地は食料を生産する限りある貴重な生産資本であり、かけがえのない大切な地域支援であることから、優良農地を守るための適正な農地行政の執行と、担い手農家への効率的な利用を促進することを目的に、メンバーはマイクロバスに乗って農地パトロールを実施した。
今回は、新メンバーの学習の意味もあり、農地転用の優良ケースや、様々な問題を抱える農地のケースを見て、石垣市の農地の実態を巡回。農地の前で農業委員らが輪をつくり、職員の説明を聞き入って、時折質問をするなどして実情を把握していた。
しっかり届け出があるか、その届け出通りになっているか。転用の条件はどういうものであるかなど、ケースごとに確認していた。
問題を抱える農地には、地元の農家にも出席してもらい、農業現場でどのような声があがっているかも確認。問題の大きさも把握していた。
なかでも、土地改良区でその国が実施した土地改良事業の規格の欠陥を国が認め、最初に水質保全事業をスタートさせ、勾配修正を最初に実施した農地で発生している問題を紹介。航空機の侵入経路の下にあるとのことで、県が買い取ったまま放置状態となり、優良農地が雑木林と化し、キジやクジャクの繁殖場となって周囲の農家に迷惑をかけているという実態の報告が行われていた。
なお、石垣市農業委員会は、去る平成28年4月1日に改正農地法が施行され、農地利用の最適化が農業委員会の必須業務となったととらえ、遊休の内の発生防止・解消に取り組む一環としてパトロールを実施している。
石垣市農業委員会は、「新・農地を生かし、担い手を応援する全国運動」での「遊休の農地の発生防止・解消」の取り組みに引き続き力を入れていくとしている。
(流杉一行)