白保リゾートホテル問題連絡協議会(新里昌央会長)の柳田渉外担当は、1月25日、日本弁護士連合会へ人権救済を申し立てたことを翌日の26日に記者発表した。
この日、白保サンゴ村で開かれた白保リゾートホテル問題連絡協議会の記者会見に、柳田氏と新里昌央氏の二人が出席。同会渉外担当の柳田氏は、同会が公益社団法人日本ナショナル・トラスト協会および白保地区住民10人とともに、日弁連の人権委員会へ、環境問題に関しての人権救済を申し立てたことを詳しく説明した。
白保集落の建設不同意の公民館決議(11月25日)から2ヶ月後となる1月26日、白保リゾートホテル問題連絡協議会は、日本弁護士連合会に対して、日建ハウジングが計画する石垣島白保ホテルプロジェクトの中止を求める申し立てを1月25日に実施したことを、午前11時からの白保サンゴ村での記者会見で発表した。
「今、石垣島ではいろんなところに開発の圧力がある中、疑問に思っている人もいると思う。けれどもなかなか声を上げられない、上げても諦めてしまうことが起こっていると思う。その点、白保は歴史が有り、がんばって声をあげようという人がたくさんいるので、白保はこう考えていると具体的に示す意味でも、すぐ会見をした方がいいだろうと判断して、会見を実施しました。」と、述べていた。
実際の申し立ての内容は、(株)石垣島ホテル&リゾートと(株)日建ハウジングへ向けての、白保のリゾートホテルの建設計画の中止と、沖縄県へ開発を許可しないことと、国や県、石垣市に対して白保周辺の乱開発を防ぐために環境保全のために適切な対応をとることを申し立てるもの。日弁連内の人権擁護委員会へ、人権の観点で環境問題を訴えることで、乱開発への歯止めとして、人が持つべき生活権の拡充確保に及び、動向には注目に値するものがある。
申し立てが取り上げられれば、建設計画の2社や国、県、石垣市への調査が日弁連によって実施され、聞き取りなどを通して、提言などが実施される。そこに法的な拘束力はないが、第3者による所見が出されることで、多くの人にこのリゾート計画の問題を知ってもらえるものとなる。
「できえることは、何でもやる」と、柳田氏は県の建設許可がまだ出ていない現状で、なんとか多くの人へ白保リゾートの問題に関心がいくように、取り組む構え。この申し立てもそのひとつとのこと。
別件でも、県と取り交わしている保全利用協定の認定団体としての立場からのアプローチも実施しているとのこと。
2月9日には、沖縄本島県庁庁舎の県政記者クラブで同トラスト協会および顧問弁護士らと記者会見の実施予定で、新たな試みに関心が集まる。
(流杉一行)