詩の朗読と島言葉一人芝居

 4月30日午後6時半からユーグレナモールのまちなか交流館ゆんたく家で、たそがれコンサート「詩の朗読と島言葉一人芝居」が開催された。

 プロデュース海による企画で、川平孝子さん、翁長隼大(たかひろ)さん、比嘉陽花(はるか)さんの3人が朗読と一人芝居を演じた。聴衆は40人ほどで、夕暮れ時の寂しい小時間を文芸世界の情感溢れる時間に変えて、集まった人を喜ばせた。

 川平孝子さんは、儀間比呂志作の絵本「鉄の子カナヒル」を朗読。登場人物に成り代わって躍動する語りに聴衆は引き込まれていた。翁長隼大さんは「伊波南哲の世界」から「母」と「ふるさと」を朗読。伊波南哲の「歌は辛い時に人を支える。歌が多いことを単純に喜ぶことではない」という言葉に発見した翁長氏が伊波南哲の「母」と「ふるさと」を読み、南哲の側面をうまくつかみ取るうまい詩の選択の朗読だった。

 比嘉陽花さんは、白保の古老らに方言を学び、舞台「波照間の蝶」をつくった。友人とのエピソードから恩師を慕う様子を舞台にして、標準語と白保の方言での語り、そしてとぅばらーまを披露。そのあと、一人芝居「艦砲射撃の生き残り」を標準語訳の紙芝居のあとに、沖縄方言による本格的一人芝居を演じた。これが比嘉さんの真骨頂。その迫力に見る人を魅了した。

 有意義な夕暮れを演出した海プロデュースさんによって、ユーグレナモールの意味が少し違って聞こえてきた。


(流杉一行)

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