5月3日の憲法記念日、石垣市新栄町の新栄公園にある憲法九条の碑の前で午後4時から2023第10回憲法記念日アピール集会が開催され、60人以上の市民が集まっていた。
「憲法を守れ! 平和といのちと人権を! 島を戦場にするな!」をテーマに開催された集会は、主催者挨拶の後、7つの団体の参加者がそれぞれスピーチやパフォーマンスを披露していた。
「九条の会やえやま」からは、新垣重雄さんが「九条がなかった時代がある沖縄で、九条がありながらこの状況は、もはやこの歌を歌うしかない」と述べ、「沖縄を返せ」を座開きにしたいとからハモニカで「沖縄を返せ」を伴奏。会場の参加者が皆いっしょに、この歌を歌っていた。復帰以降に日本国憲法下に入る沖縄県は、鹿児島県の奄美地区も含めて、日本国憲法下におかれる期間が少ないエリアとなる。このことを改めて感じ考える時間となった模様。
このあと、平和を訴える短歌や与謝野晶子の「君死に給うなかれ」の詩吟、群読、とぅばらーまなど、多彩なパフォーマンスで平和を訴え、会場から賛同の意志を示す拍手が沸き上がっていた。
会場からも個人で意見を述べる人も出る自由な集会となっていた。山本邦晴さんの作詞作曲の「憲法 日本の誇り」と題する歌も、披露されたあと、5・3憲法集会アピールが読み上げられ、参加者から承認の拍手が起こっていた。
アピール文は、ロシアによるウクライナ侵攻やスーダンの内戦、北朝鮮のミサイル実験にも触れ、この状況の下で日本政府がした安保3文書改定の閣議決定は、9条をないがしろにするものであり、敵基地攻撃能力(反撃能力)の保持や43兆円の軍備増強は、戦争する国づくりであり、平和国家である私たちの国の在り方を大転換させるものであり容認できないとして、平和憲法を無力化する国の取り組みを糾弾。軍事では平和は作れないとして、憲法9条を持つ国として、いかなる戦争にも反対し、アジアをはじめとする諸国民と経済、文化、科学技術などの面から有効と協力関係を結び、発展させるべきと、訴えていた。
この日、日本国憲法の平和、人権、民主主義の理念の尊さをかみしめ、「改憲」の意図をはばむため連帯してたちむかうことを「九条の碑」の前で確認しますと、アピール文は結んでいた。
(流杉一行)
2018年に故安倍首相が閣議決定で踏み込んだ集団的自衛権。防衛面で憲法改正の必要性が消えたともされた事態からも、なお憲法改正が取り立たされて、与党が伝統行事にする取り組みがやめられない。
あれから、国民の分断が深刻化している。これが国力を落とす最悪な事態。アメリカもそれだ。空転する国会論議。野党は自組織防衛、あるいは役者のように与えられた役割を演じているかに、質問する。それが集票にいいらしい。
与党は、何をすればいいかわからないまま、経済アナリストの言いなりで失敗を積み上げている。分断して、役者を育てて、役者になって、何ができるか。また、来た道に戻るのか。