9月15日午前10時20分から県立八重山商工高校マルチメディア館2階で、3年観光コースの調査研究授業時間に渡邊義弘東京大学客員研究員が加わり「さしみ屋」調査の授業が始まった。
これは、石垣市内のさしみ屋(てんぷら屋)が県内でも数が多いとされながらも、事態を調査したことがなく、石垣島の観光のスポットとしても注目の価値あるファクターとして取り上げようと、現在石垣市商振興課で地域興し協力隊として活動する東京大学客員研究員の渡邊義弘氏を招いて、2・3学期の毎週金曜日の1から3時限を通して「さしみ屋(てんぷら屋)」を調査研究していくもの。男子生徒2名、女子生徒8名でこれからさしみ屋の調査研究が観光コースとして実施するもので、外部の講師を招いての長期調査研究授業は今回が初めての試み。
第1回目の授業は、実際にさしみ屋のてんぷらを食べながら、一般高校生がいかにさしみ屋の周辺について知らないか。また、実生活で食べるものが加工肉にばかり偏って、魚離れが進んでいるかを、対話を通して検証。これからさしみ屋をいかにピーアールすれば、若い同世代の客や観光客が足を運んでくれるか。魚周辺の料理、販売用容器、味のアイデア、ソースの工夫など様々な試みを、高校生で考え出してチャレンジし、桟橋マーケットへの販売も視野に入れて、さしみ屋の調査研究に踏み込んでいくことをブリーフィング。企画開発の仕事でもあり、またJFが発行する雑誌「漁協」にも掲載を予定するなど、「さしみ屋」の研究を足がかりに、フィールド調査から新たなアイデア発想を具体的なものに仕上げて、実態を把握するという高度な学習を試みて、雑誌掲載までも実施するもの。若者の水産物離れが進む中で、消費促進に向けた取り組みにもなってくることや、それが石垣島のひとつの観光ファクターを掘り下げることにもなり、一石二鳥の取り組みともいえる。
この日、渡邊氏は「インスタ映えするものを見つけ出す発想で取り組んでほしい」若者にわかりやすい用語をつかって、企画の仕事の仕方を説明して、高校生にとって身近なものから学習へ導く対話が、この日続けられていた。
次回は、さっそくさしみ屋への調査に入る模様で、今回、用意され生徒が食べた魚の天ぷらの魚種が生徒の誰も当てられない状況で、まだ何をどうすればいいか、手探りの生徒だが、調査研究でさしみ屋に実際に足を伸ばすことで、初々しい感性持つ高校生の発想で何が生まれてくるか。2・3学期の長期取り組みでもあり、また新たな授業の形としても、大いに期待が集まる。
(流杉一行)