令和5年、西暦2023年1月1日の初日の出は、拝めなかった。雲におおわれて、海と空を分かつ水平線さえ見えない。
石垣島の県営バンナ公園内の渡り鳥観察所では、10台以上の車が駐車場に集まり、タマゴ型の展望台には40人以上が集結していた。
準備よく温かい防寒具を用意する家族もあったことから、初詣に足をのばした口かも。
日の出時刻の7時27分、フロア一杯の40人を越える家族ずれの一行は、初日の出は見られなかったものの、記念撮影や自撮りをスマホでポーズしてから、わいわい階段を下りて行った。家族連れの人に声をかけると、「20分前から来ました。初日の出が見られなかったのは残念です。」と、笑顔で階段を下りて行った。7時34分には展望台には一人もいなくなっていた。
風が強く、長くいるには居心地はよくないからだ。
7分間できれいに帰った静寂の中、雲で隠れた太陽を想像しながら、令和5年の幕開けである。太陽は見えずとも、時間と共に空の明るさがくっきりして、雲の輪郭もはっきりしてくる。
バンナ公園へ向かう前、テレビでダイヤモンド富士の生中継が午前6時頃あった。
石垣島では市街地から15分くらいで東の空が見渡せるこの絶好の場所が渡り鳥観測所の卵型展望台。カンムリワシの卵に似せた外観だ。元旦からカンムリワシの卵からの日の出待ちは悪くないかも。
(流杉一行)