8月21日午後3時から竹富町役場2F会議室で竹富島における地域自然資産法に基づく入域料収受開始に関する記者発表が行われた。
9月1日よりユーグレナ石垣港離島ターミナルと竹富東港の2か所に入域料券売機(入島料券売機ともいう)を設置して、竹富島に入る人から一人300円の入域料(入島料)の協力をお願いすることが発表された。(写真は町と財団の調印写真)
会見には竹富町長西大舛高旬町長や副町長前鹿川健一、そして一般財団法人竹富島地域自然資産財団の上勢頭篤理事長、同じく水野景敬理事、竹富公民館の内盛正聖公民館長らが正面に陣取って出席。
冒頭、竹富町役場担当からこれまでの経緯を説明。
竹富町の島々の環境を守るために、環境税など様々な試みを考案してきたが、平成26年にできた地域自然資産法(地域自然資産区域における自然環境保全及び持続可能な利用の推進に関する法律)を活用して取り組むことを決めた竹富町は、まずは竹富公民館とともに平成29年9月に竹富島地域自然資産協議会を設置して、一般財団法人竹富島地域自然資産財団も設立。同協議会は計画案を今年8月に策定。今回の発表となった。
税として強制するのではなく、入域料として協力金的な扱いで、入島者にお願いしていくもの。島民、郷友、町役場職員、島内就労者や、島民の高校生以下、障がい者などを免除しながら、この入域料で島の自然環境を守り、持続可能な利用を促進することをアピール。年間50万人の来島者に訴えていくもので、理事長は4割が取れればと、見込みを語っていた。
事業は地域自然環境保全等事業と自然環境トラスト活動の2つで、集まった入域料の内、3分の1以内はトラスト活動に利用される。竹富島の土地の3分の1は、復帰時に本土資本に買われており、水野氏によると買い戻しに2億から3億かかるとのこと。
竹富島の環境保全にかかる負担が、過度になり耐えきれなくなっている現状から、島の決定機関、竹富島議会での話し合いで進められており、古くは昭和50年からの取り組みでもあると、上勢頭氏は述べていた。
9月1日、午前8時半に離島ターミナルでセレモニーも準備中であるとのこと。念願の入島料とのことで、盛大なセレモニーが予定されている模様。
なお地域自然環境保全等事業は、竹富町が主体となり、保全活動及び入域料の収受は竹富島地域自然資産財団が担う。
また自然環境トラスト活動は竹富島地域自然資産財団が実施主体となって、進められる。
上勢頭氏は「観光で訪れた人に竹富島をしっかり見ていただき、島の環境保全の取り組みに賛同していただければ、きっと入島料を払ってもらえると思う。いただいた額をどのように使ったかを披露して、有意義に活用していることを示し、なおも入島料への理解を深めていきたい」と、述べていた。
昨今、観光の在り方を問う雰囲気が八重山では始まっており、5万の人口の場所に138万人は多すぎないか。また、ロットが大きくなれば、島外資本の参入が増え、地元企業は隅に追いやられ、地元に残る利益は減っていくのではないか。
(流杉一行)