国指定重要無形文化財の小浜島の結願祭開催

 11月9日、国指定重要無形文化財の小浜島の結願祭が開催され、島人や多くの郷友が結集して、島の伝統文化が色濃く残る最大の祭りを挙行して島は賑わった。

 小浜島では、今年の五穀豊穣に感謝するとともに来夏世の豊年満作を祈願する結願祭が午前9時から嘉保根御嶽でおこなわれた。御嶽の庭に弥勒を先頭に北の集落の演目を担う人々が登場。庭を巡り、そのあとは太鼓の奉納がおこなわれ、獅子も登場して庭を清めた。

そのあと、福禄寿を先頭に南の集落の奉納する人を引き連れて、小浜節の音楽とともに登場。庭を巡ったあと、太鼓と獅子が登場。

このあと、北の集落の棒の武士たちが入場して、力強い、棒を披露していた。

 南の棒も同様に行われたあとは、舞台芸能の準備に入り、境内はブロックの上に組まれた角材が載せられて、またたくまに舞台ができあがった。

 ホラ貝の音とともに幕を開けとなり、ミルクが登場して、北の集落の奉納がはじまった。

 ミルク節で登場して、踊り手が御膳風からマクチャン突き、マミトーマなどを舞い、南の集落の奉納では、福禄寿が小浜節の曲に乗って登場し、赤馬節、夜雨節など舞台は続いていた。

 大工英助公民館長挨拶、来賓祝辞の後は、狂言が北・南集落の順におこなわれ、まずは北集落が御膳風を舞った後、スーダイの口上があり、続々踊り手による舞が繰り広げられた。

オーカタから、カティクまで続いた後、南集落が赤馬の後に、スーダイ口上から御膳風、口説きぬ囃子と続いた。

 このあとは、北の集落からブーピキと鍛冶工狂言が、南の集落からは、カシカキと作方狂言が披露され、会場は大いに沸いていた。

 この日は、演目に書き込まれていないダートゥーダーの演目が突如はじまって、会場ではカメラやスマホを構える人が一斉にダートゥーダーに釘付けとなった。

 島の人に聞けば「南の集落の福禄寿の役を昔はダートゥーダーがやっていて、理由は知れないが切り替わった」とのこと。「出だしの歌声が好きで銅鑼の音でよく聞こえなかったのは残念だったが、久しぶりに見るので、なつかしい」と大いに喜んでいた。

 ダートゥーダーの後は、北の稲真積、南の天加那志、そしてまた北のハピラ、南の四つ竹と、北集落、南集落の舞が、交互に繰り返され、このほか6曲が舞われ、計22演目、51曲が奉納されていた。

(流杉一行)

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