鍋と台風 | 熊谷溢夫の昔話#3
昔、八重山に100日も雨の降らないことがありました。 せっかく播いた種も芽を出さず、芽を出していた作物もみんな枯れてしまいました。 みんなで雨乞いをしましたが一粒の雨も降りません。 そこに、ある老人が昔からのいいつた ...
旧暦3月3日はサニズ(浜下り) | 熊谷溢夫の昔話#2
女の子たちのお祭りです。 ひな祭りにどこか通じるところがあるのでしょうか。 この日には、女の子たちは、 おそなえものやごちそうを持って海に行きます。 そこで一年の健康や、家内安全を海のかなたの神様にお願いし、 その後 ...
芋のはじまり | 熊谷溢夫の昔話#1
昔、ハンサン王という人が、悪い王のために“トラ島”というところに島流しにされました。 その島にはトラしか住んでいないので、きっとトラに食われてしまうだろうと考えたのです。 でもハンサン王は、その島でトラに助けられてず ...
福禄寿
この福禄寿はね、福は上で禄は中でしょ、寿が下になってるでしょ。それはね、むかしね、福の神、繁盛の神、長命な神、この三つ合わせて福禄寿だから。この三つがかねそなわって福禄寿ですよ。 なぜ、福は上になって、禄は中んなって ...
三人兄弟
むかし、あるところに夫婦がおったところが、子どもが男の子が三名できてるわけですね、長男、二男、三男と。そしてお母さんは早めに亡くなって、お父さんのひとり手で三名の息子を育てたわけ。そして、みんな三名とも嫁を迎えるころ ...
マツンガニ
造りの歌はね、ユッサシ節とね、マツンガニ。マツンガニジラバといってね。むかしマツンガニという人がね、非常に苦労してて、お父さんも早く亡くなられ、お母さんも早く亡くなられてね、ばあちゃん弟なんかを自分一人でよう、養って ...
オヤケ・アカハチ その5
オヤケ・アカハチは田んぼの中によ、反対方はみんなね、沖縄、宮古、八重山、沖縄のみんなね、きとるでしょ。 自分はもう大変だっていうんで、田んぼの中によ、穴掘ってね、寝てよ。 レンコンの根っこを取ってきてね、穴に入 ...
オヤケ・アカハチ その4
それが、川平のナカマミツケは来てね、「おっしゃるように、イリキヤ・アマリの行事をほんとうに、わしら農民はありがたいから、これだけは首里の王様もあまりにひどい」といって、「わたしも反対だ」といっておったところが、また ...
オヤケ・アカハチ その3
「それじゃあね、よし、あなたのね、兄弟はね、姉さんもナアタフージもわたしを殺すためにおるんだね」 といって、あれから反対してよ、弟なんか三名殺したわけよ。 そしたらよ、ナアタフージは反抗ができんでしょ。 崎枝に行っ ...
オヤケ・アカハチ その2
アカハチは、「わたしもいい妻にあたった」っていうんで、非常に喜んで、よい夫婦相和しておるんだからよ。なかなかクイツバはね、夫を殺すわけにもいかず、自分をかわいがるんだから。 だがね、話をきくとね、クイツバはね、必 ...
オヤケ・アカハチ その1
白保はですね、遠いでしょ、昔はね、学校というのはなくて、そしてみんな平民でしょう、だから人頭税。男は十五歳から五十歳までね、コメ、アワ、ムギ、ヒエ、マメを作ってね、男は首里の王様に贈る。女はまたイトバショウをとって ...
人魚と津波
白保というところはですねぇ、西暦1771年、日本年号では明和8年に石垣島に大津波があってよ、全部流されてね。 わたくしは、むかしからのここの土人です。というのは、わたくしの父方がね、命拾いした、あのヨナモリに登っ ...
はぶむん(三月三日の由来)
むかしね、宮古でもね、漲水御嶽、沖縄には宜野湾に洞くつがありますけどね。 むかしよ、人頭税時代、あちらの村にも聞きますがね、女はね、もう十五歳になったらよ、糸をつむぎ、布を織ってよ、あれが本職だから。あれはものを ...
八重山の民話「天官賜福紫微鑾駕」
―八重山ではね、家を建てるときに『天官賜福紫微鑾駕』と書くといいますけれども、この家ではやりましたか。 うちはみんなやっています。この家も。また、畜産が好きだからよう、牛古屋にもよう、みんな『天官賜福紫微鑾駕』って ...