結願祭(キツィガン)

旧暦
8~10月
場所
石垣島川平、黒島、小浜島、鳩間島など

結願祭は、五穀豊穣、子孫繁栄、無病息災など諸々の祈願を総まとめした願解きの儀礼であり、多彩な芸能が行われる祭事で、八重山各地で毎年または何年かごとに行われる。小浜島の結願祭は国の重要無形民俗文化財に指定されている。
 

・石垣島川平の結願祭

川平3大祭りの一つ。神の加護により農作物の収穫が全て無事済んだことに感謝し、来期の豊作と住民の健康・幸せを祈願。神司が御嶽に籠って祈願する夜籠りを終えて、群星御嶽境内での総踊り、太鼓、棒術、獅子舞、舞踊、狂言と続く。
 

・竹富島の結願祭(キツガン)

大祭(たいさい)と呼ばれる4つの祭のひとつ。豊穣への感謝と、1年の願解きを行う。1875年(明治8)に始まった。
執り行われる日は、旧暦8月最初の「壬(みずのえ)」と「癸(みずのと)」の2日間が選ばれる。
初日は、ムーヤマの神司による夜籠りが西塘御嶽、幸本御嶽、清明御嶽で行われる。
また、翌日奉納される芸能のフクミ(仕込み)が、狂言は有田家にて、踊りは各集落の会館にて行われる。
2日目は、早朝、公民館執行部と有志、神司による弥勒奉安殿の参拝をはじめ、22カ所の拝所を参拝する。
午後、島づくりの神が祀られる清明御嶽の神前に設置された舞台で、狂言部による「始番狂言」「芋堀狂言」や、各集落による踊りなどが奉納される。
「始番狂言」は4人の長老が豊穣の感謝をし、芸能を楽しむ様子が厳かに演じられる。
「芋堀狂言」は芋を収穫する2人の女性と運ぶ1人の男性の収穫を喜ぶ様子がユーモラスに演じられる。アドリブや、芋の品種が毎年変わり笑いを誘う。
 

・小浜島の結願祭

「節」と「結願」の元々二つの行事が明治初期頃ひとつになったといわれる。初日が節に当たり、季節の改まりを祝い、住民の健康、除災招福を祈願する。2日目は正日(ショウニチ)と呼ぶ。神司たちは前の晩から夜籠りして祈願をし、早朝にはウウクバン(牛肉の神饌)・花米・酒が各御嶽に供えられ、五山を公民館長をはじめ男子成員のほとんどが参詣し祈願する。嘉保根御嶽では、北村の棒舞いを先頭に獅子が続き、ミルクとファーマーが境内を一回りし、南村が同様の総出をした後、庭の芸能として棒舞いが北、南村と続く。その後、舞台では北村のミルクの踊り、ファーマーの踊りの奉納に続き、南村のフクルクジュが奉納される。その後は北、南村交互に舞踊、狂言と続く。3日目は午後から南北各村でトンドミ(打ち止め)が行われる。
 

・西表島の結願祭(キチィグヮン)

2月の世願いで立てた願の成就を神に報告し、願を解くための祭祀。古見で行われる。
 

・黒島の結願祭(キチガン)

初日はお嶽結願で、神司を中心に神への豊作感謝と来年の豊作祈願をし、一門の健康を祈願してお祝いする。2日目は比江地御嶽が会場となり、午後にまず青年会の棒踊りが奉納される。部落会長の挨拶などに続き、初番が始まる。村福筑登之登場、築登之の寿詩、舞踊、そしてミルクを迎えた後、踊りや狂言の奉納。最後にミルクが奉納され閉会となる。
 

・鳩間島の結願祭(キチゴン)

初日はユードゥシで神司は夜通し御嶽で祈願。2日目は踊りや狂言が奉納される。
 

・新城島の結願祭(キチガン)

豊年感謝と願解の祈願。明治8年頃に役人が始めさせたといわれる。2日目(正日)に奉納芸能。
 

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