石垣市における農薬の空中散布がスタート

 石垣市における無人ヘリによる水稲一斉防除計画が始動。平成29年4月18日付け沖農八営発第4号により無人航空機による一斉防除計画の提出により、5月9日、午前9時から平地原そして浦田原の順にスタート。あらかじめ黄色い旗を立てた、その区画にヘリがゆっくり移動しながら農薬を散布。時折、風が強く吹くときもあるものの、止まる時もあり、天候は一定ではないのは当たり前。下に吹き出すヘリの風圧が、稲の葉の裏表両面に農薬がかかり、効率よく農薬の力が発揮される模様。150m離すという操縦者との距離の規定は、ケースバイケースになるのは、いたしかたない。農家に聞けば「機体だけで1300万かかり、噴霧の装置を入れればそれで済まない。」「費用対効果がどれだけあるかが注目するところ。操縦者を沖縄本島や本土から招聘する費用は、難点。」という声があった。「農薬による害虫防除がこれですめば楽になります」と歓迎する農家も。しかし、中には無農薬の米をつくる稲作農家には迷惑にも。高齢化の波は、厳しく、しかし付加価値の高いものを用意できなければ、安価な外国産に駆逐される日も遠くなくなる。TPPは米国の不参加で頓挫したが、日本は二国間で交渉をする構え。農産物の付加価値の高さを求める機運は衰えない。

 広大な農地に、飛行機で散布するアメリカの農業に対し、無人ヘリの散布は、厳密な風向きとヘリ操作の正確な散布を可能にすれば、狭い範囲に多彩で様々な農法を共存させ得る。

 まず、アメリカのような飛行機散布で、そこら中を農薬まみれにするよりは、ましとなろう。無人ヘリのサイズにするのは、細かな配慮が利くからであれば、操縦者の技量がそこにはかかってくるのかも。

 なお一斉防除は市内42カ所の水田で実施される。

(流杉一行)

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