5月1日、午前11時から石垣市役所庁議室で初となる福祉のまちづくり適合証交付式が開催され、ホテルWBF石垣島(第13号)と学校法人カトリック学園海星小学校(第14号)と石垣市中央運動公園子ども広場トイレ(第15号)へ「福祉のまちづくり適合証」が交付され、中山義隆石垣市長からホテルWBFの木本翔さん、学校法人カトリック学園海星小学校校長の崎山麻希さん、石垣市役所都市建設課課長の宮良直好さんの3人へそれぞれ手渡された。
最初の1号交付は、11年前の平成19年のホテルイーストチャイナシーへのもの。平成10年には石垣市福祉のまちづくり条例施行規則が公布されており、その後9年の月日を経て第一号の交付をみている。
平成4年には全国的な高齢化者の到来を告げる世相にあって、当時から八重山身体障害者協議会(八身協:平成26年に解散)を中心に、歩道の狭さや点字ブロックの少なさ、段差の多い道路や建物の構造への是正を促し、福祉のまちづくりを広く訴える活動がおこなわれていた。
平成4年には「福祉のまちづくり条例」の制定と「条例制定検討委員会」設置が陳情されている。かくして平成9年に県内市町村初の「石垣市福祉のまちづくり条例」が制定され翌年に「石垣市福祉のまちづくり条例施行規則」公布された。
障害者団体が強く押して進めて実現した「福祉のまちづくり」の取り組みだったが、積極的な取り組みを見せる事業所が現れるのに10年を要した適合証交付でもあった。高齢化社会の到来が社会現象に深く影響を持ち始め、現実味を帯びてきた昨今、石垣市へ同適合証を求めはじめた平成19年の第1号から15号まで、なんと11年の年月があるものの、事業者の中では、次第に適合証の価値を重要視するところが増えだしているのがわかる。
今回、初の交付式を迎えて、広く世の中に知られるようになった福祉のまちづくり適合証は、島の身体障害者団体の先見の明からはじまり、障害者から健常者への訴えから発していることに触れられなかったのは残念だが、世相がこの領域に目を向け、意識を高める必要性を、広く認めはじめていることは、間違いない。
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