撮影・編集 流杉一行
カピバラ出現 1月11日午前7時50分頃、新川川河口に向けて数人の見物人で人垣が出たのは、大きな茶色の生物が出現したから。背を丸めて海を背に新川川を向いたまま、じっとしている体長1mほどの巨大ネズミの姿は、カピバラ。昨年3月18日の大雨で、川原山線沿いにある八重山自然村内で放し飼いにされていたものが逃走。以後、数度確認され、石垣市消防本部が大捕物を演じたが、いずれも失敗。ネズミの仲間で世界最大の種。南アメリカ東部のアマゾン川流域を中心とした温暖な水辺に生息。和名はオニテンジクネズミ(鬼天竺鼠)。一度水に入ると、長く潜水可能でなかなか出てこないため、人には川の藻が邪魔で接近が容易でない。当時まで観光客が餌を買って、直に食べさせることができ、施設内では人気者だった。カピバラ自身草食性でどうやら川で生息可能な模様で、逃走約10ヶ月間、何事もない模様。少しずつ生息範囲を拡大しているのか、新川川の河口にまで降りてみて、海水を飲んで又、淡水の新川川上流側へ戻っていった。カピバラを見つけた出勤途中の石垣市民は、携帯で写真を撮るなどして、巨大なネズミに驚いた様子だった。現在、石垣市消防本部は、危害を加える危険性がないことで捕獲は石垣市と八重山自然村施設に任せた格好。沖縄県八重山福祉保健所や環境省では、捕獲に向け試行錯誤中で、トラップを仕掛けて生け捕りをねらっているが、成果は出ていない。この日は土曜でもあり、関係各所も危害がないとあって、捕獲にはそれほど熱はない模様。