23年ぶりの一ヶ月7個目台風9号接近

 7月29日、八重山地方に接近した台風9号は、15時には960ヘクトパスカル、最大風速は秒速40m。最大瞬間風速60mの八重山では一般的な台風らしい台風として西表島を暴風圏に接触させ、進路を西よりの西北西に向かっている。波照間島、与那国島、鳩間島などは暴風圏に入っており被害が心配される。

 一方、石垣島直撃の可能性が消え、石垣島平得での豊年祭は挙行される。

 今回の台風9号は、7月に入って7個目と一ヶ月に台風の発生件数が大幅に増えたことが話題となっている。これは1994年7月にも同様の数の台風が発生。実はこの1994年は民間テレビ放送が八重山に流れて初の台風シーズンで、RBC、OTVが張り切って報道したものだった。この1994年に大型台風が5つも八重山を襲い、八重山の山々を茶色に染め上げた。しかも、風速は50m級で電柱が折れ、コンクリの建物が風圧で揺れるほどのもの。この年の台風13号は磯辺のホットスパー前(現ファミリーマート)に巨大流木が打ち上げられるという、恐ろしい光景が生まれ、これがきっかけで大浜に養浜工建設が決まるオマケつきの台風だった。

 台風被害で一週間停電が続いた2006年もまたすごかった。計測不能の風速となり、天文台のドームが破壊された。この年は一ヶ月で多数発生することはなかったが、大暴れしたのが13号だった。

 今回の9号は、一ヶ月に7個目という勢いある台風で、フィリピン東で発生という展開。あの1994年の連続した八重山来襲台風は、フィリピンより東からやってきて、石垣島に近づくと、突如、偏西風に乗って北上して直撃というパターンがあった。しかも、最初に近くを通る台風のコースをあとから発生する台風が踏襲するパターンが多かった。

 今回の9号が石垣島の南を通り北上せずに通り過ぎたことは大きい。

 近くに来た1発目の台風のコースが、一年の大雨風被害を占うことになるのは、これまで見てきたゆえ。

 今回、襲来を免れたのは大きい。そして、危険な目にあうタイミングが、13番目。これから出る13号台風の動向に注意したい。

 加えて、太陽黒点周期というのが11年とされ、一ヶ月7個の台風が生まれた1994年から2017年は、23年目。11年周期なら22年になるが、数の近さが気になるところだ。

(流杉一行)

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