満身の力を振りしぼって、船頭のピョーシが洗い清められた前泊の浜に響きわたると、ドラ・太鼓の合図により、古式ゆかしき、格調高い、西表村、祖納・星立に伝わる節祭の世願い(世乞い)の行事が始まる。
農作物の豊作に感謝を捧げ、翌年の五穀豊穣と住民の健康・村落の繁栄を祈願する節祭は四、五百年の歴史があり、人々の生活と暮らしの支えとり、その原形を今にとどめ伝承されてきた。そして平成3年度、国指定の重要無形文化財に指定された。
祭りは古くから、先人が創造した尊い遺産として、集落を形成する人々の神への敬虔な祈りであり、願いそのものであり、生活の糧であり、人間関係を強く結ぶ源である。
フンエー 今日は吉日じゃろう
ヒエーヒャ ホーコーリャ エイ
今日は吉日
祖納の節祭
一、芸能の名称 節祭(シチ)
二、芸能の所在地 沖縄県八重山郡竹富町西表島祖納
三、管理者 祖納公民館
四、祭の期間 毎年旧暦十月前後の「つちのとのゐ」の日に部落をあげて三日間、慣例として開催する。
第1日は家庭行事
第2日は世願い(世乞い)船元の御座で挙行
第3日は太平井戸で水恩感謝行事を挙行
五、芸能の由来
西表の一ヶ年間の諸々の行事を総合して、祖納部落の前泊海岸、当日はこの浜を船元の御座と呼んで洗い清められた砂浜の上で節祭を挙行したのが節祭の起源となっている。
星立の節祭
一、芸能の名称 節祭(シチ)
二、芸能の所在地 沖縄県八重山郡竹富町西表星立
三、管理者 星立公民館
四、祭の期間 毎年旧暦十月前後の「つちのとゐ」の日に部落をあげて三日間、恒例として開催する。
第1日は家庭行事
第2日は世願い(世乞い)前の浜で挙行
第3日は上の川で水恩感謝行事を挙行
五、芸能の由来
一年間の諸々の行事を総合して、星立部落の前の浜洗い清められた砂浜と星立お嶽内で挙行したのが節祭の起源となっている。