キビナゴの群れ

キビナゴの群れ

 ウミショウブが流れ着くエリアには、毎年のようにキビナゴが群れて、海岸のすぐそばで悠然とグルグル周囲を回り続けるのが見られる。その周囲は、魚群が生み出す波が通常の波と混ざり、不思議な波紋が現れ、時に渦巻き、時に雨でも降っているかに、丸い紋が現れて、何の目的で群れ泳いでいるのか、よくわからない不思議な動きを見せてくれる。
 浅い場所に来れば、大きな魚は近づかない。そこで束になって、連動して泳ぐ練習でもしているのだろうか。群れになじむためのものなのか。かくして、陸で魚の群れがよく見えてくるのは悪くない。これがカツオの撒き餌になるということで、漁師には海の幸をたぐり寄せる大事な魚群。ただ、カツオ船が今年から船が減ったのは、キビナゴ捕りの漁師が高齢で亡くなったため。第一次産業における後継者不足は、農業だけでなく、漁業にも影響している。農林高校はあっても、八重山には水産高校がないのは、大きい。

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