まもなくハーリー

まもなくハーリー

 まもなくユッカヌ日が来る。海に生きるウミンチュたちがニライカナイの神様に、大漁と安全の祈願をする海神祭が、旧暦5月4日に開催される。四日の日がユッカヌヒで、海神祭の一週間前から午前5時にハーリー鉦が登野城から新栄町までの海岸端の家々がある沿道で鳴るようになる。開催当日、早朝の祈願からはじまるこの祭りは、爬龍船競争と応援模様がメイン。そしてもっとも速い船を争うアガリバーリーのゴールがメインイベント。そこで東1組、東2組、中西合同組の3組の順位が決まる。昔からこの競漕に並々ならぬ力を注いできたウミンチュらは、この文化を大切にしている。
 この心意気に呼応して、この日は石垣市が市民参加の爬龍船競漕を実施して、ウミンチュの協力の下、いっしょに爬龍船競漕をする。会場は多くの市民で溢れることになる。おもしろいのは、ハーリーが来ると梅雨明けすると、昔からいわれていること。石垣島地方気象台は独自に梅雨入りも梅雨明けも宣言はせず、沖縄本島の沖縄気象台がすることで、いっしょの扱いだ。しかし、本島より400キロ以上離れていて、同じ梅雨明けは、変である。
 さて、まもなく旧暦の5月1日。西と中の組で、あがりバーリーに参加できる船を決めるワカシバーリーが、実施される。おもしろいのは、このレースを東の1組と2組が偵察に来て、じっくりそのこぎっぷりを確認にくる。当日のライバルが来るのを受け入れる度胸のよさは、たいしたもので、例年中西合同の組が上がりバーリーを制しているのは、十分うなずける。このワカシハーリーで勝たなければ、アガリバーリーには出られないのだから、真剣みが違う。

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