沖縄県で植栽されるカンヒザクラは中国、台湾、石垣島に自生地がある。石垣島北部の米原近くにある荒川の山岳部には、国の天然記念物として指定されている荒川のカンヒザクラ自生地がそれで、県内唯一の場所だ。一週道路から約1時間の登山で自生地にたどり着くが、毎年、台風などによる強風で倒木が多く、山道は荒れて接近は難しい。2月8日、快晴のこの日に石垣島荒川のカンヒサクラ自生地では、斜面に生育するカンヒザクラがちらほら開花しているのが見られた。7日から緩んだ気温が日々サクラの芽をほころばせている模様。例年、2月に開花するとされるこの自生地のカンヒザクラは、樹齢150年から200年とされ、ほとんどが老木で、倒れた樹木が横に伸び続けているものもある。この一帯は地盤が花崗岩で、サクラの生育には適地となっていることが奇跡的な自生地保存を可能としている。そばには、滝が絶えず流れて、水量の多さが自生地の環境を維持している。