12月31日、石垣島平田原に現れたハヤブサ一羽は、曇り空の下、大きな瞳で周囲をにらみ、野鳥を探す。周囲の沈黙は深く、どこにも野鳥の声はない。アマサギの群れも見えない。カラスさえ姿がない。電線の低い方に止まって、目を見張るのは、それだけ苦労しているのかも。小さな島は、どこも沈黙する。
1月3日、平田原は一転して多数の野鳥が戻ったものの、様子がまだ変。低く飛ぶアマサギ、水に浸るようにじっとしているアオサギ。まだ、警戒感は解けていない。
今年の正月の島の原野は沈黙が広がって、生態系の厳しさが増した滑り出しだ。