新鮮すぎるクロマグロの水揚げ

新鮮すぎるクロマグロの水揚げ

 八重山漁協の新栄漁港では続々クロマグロが水揚げされており、5月22日金曜時点で57匹目。この日、石垣島に水揚げされたクロマグロで午前4時頃に捕らえたものが5時間後の午前9時頃に漁港入りした。水揚げしたのは拓海丸。5時間前には海にいたクロマグロが漁港入りすると、いつもと違うクロマグロの水揚げになるのは、まだ体温があるためだ。一度、しっかり氷で冷やさなければ、出荷できない。肉の品質が落ちるのだ。
 ちょうど予定の漁を終えて入港してきた拓海丸は、帰りがけにクロマグロを捕らえた。通常なら鰓(エラ)を外し、氷水が魚体の内側まで届く配慮をして、船倉に入れるが、入港直前なので、そのまま来た格好。漁港ではエラがついた状態の巨漢の登場となる。船倉からウインチで揚げ、降ろしたあとは、エラ外し、内臓取り出しで、心臓から胃・肝臓・腸から生殖器まで、ひとそろい揃っている。これを外して、体重計測して、252キロ。いわば漁港で計測されるクロマグロの重さは、ほとんど内臓器官を外したものなのだ。「エラを外さないと、どれだけ時間があっても、魚肉が冷え切らない」という。生温かいまま出荷してしまえば、肉質は落ち、売れない欠陥品となる。

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