シンポジュウム「新城剛の世界」開催

シンポジュウム「新城剛の世界」開催

 4月27日午後6時半より石垣市大浜信泉記念館多目的ホールでシンポジュウム「新城剛の世界」が開催され、約50人の市民が郷土の画家、新城剛の足跡と情熱に触れた。これは44歳でこの世を去った新城剛が25周忌になるのを記念して、新城剛絵画展が7月2日から開催されるに先立ち、開かれたもの。
 シンポジュウムは、大浜英治氏による基調講演とパネルジスカッションでなり、パネリストは大浜英治氏、宮良長明氏、高良音絵氏の3氏(大田静男氏によるコーディネート)が生前の新城剛氏を熱く語って、氏が目指した世界を偲んだ。  基調講演では、新象作家協会の会員で石垣市出身の大浜英治氏に、現代美術と新城剛の足跡を辿り、人となりとその画風について話が行われた。
 絵の世界が印象派の絵から、現代美術の世界に変って行く過程で、新たな美術は人を突き動かしているものを表現しようとする難解な絵画世界。美を追求する過程で現代美術の流れと向き合い、新城剛氏もまた、何のために描くかに悩んだ末に、アイデンティティーを求めて、郷里の文化が作用する無意識との格闘を通じて作品を発表したのではないかと大浜氏。アカマタシリーズが生まれていった背景にある現代美術の基調、抽象画の底に流れるものなどを大浜氏は紹介していた。
 パネルディスカッションでは、大田静男氏のコーディネートで同じ郷土の画家の宮良長明氏や新城剛の娘の高良音絵氏が思い出話を披露。新城剛氏が絵画へ向かう前から書が得意だったことが紹介されたほか、弟の新城亘氏も会場で逸話を披露するなど、広がりある話題で充実したイベントとなっていた。

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