2月20日午後2時から名蔵ダムで国の特別天然記念物のカンムリワシの放鳥が行われた。この個体は、今年1月23日、元名蔵で保護されたもの。衰弱しているカンムリワシを発見した村田さんが菊井潤さん(64)に連絡。二人でダンボール箱を使ってカンムリワシを捕獲した。菊井さんはアンパルの自然を守る会に入っており、カンムリワシリサーチのイベントに参加するなど野鳥に関心があり、すぐに衰弱している白い野鳥がカンムリワシの幼鳥と判断。環境省の石垣自然保護官事務所に連絡。無事、動物病院へ移送された。診断では怪我はなく、脱水と飢餓から衰弱していたものとされた。元気を取り戻したこのカンムリワシは保護した菊井さんと村田さんが二人の名から「キムちゃん」と命名。元名蔵はカンムリワシの生息が多いことから、比較的個体数の少ない名蔵ダムでの放鳥となった。
この日、カンムリワシリサーチの佐野清貴さんの手でカンムリワシのキムちゃんが放鳥され、元気よく舞い上がってそばの木にとまり、周囲を見渡していた。保護者で命名者のひとり、菊井さんも放鳥を見届けに来て、「様子が変で、何度も飛び去れないのがわかって、保護して、よかった。」と、元気よく飛び去ったキムちゃんを満足げに見送っていた。今年に入ってカンムリワシの保護はこのカンムリワシを入れて、全部で3件。一件は死亡しており、残る一件はリハビリ中で、来週にも放鳥する予定。現在、成鳥のカンムリワシはペアリングの時期で、昨年生まれた幼鳥が親の縄張りから追われて、サバイバル中で、かく衰弱するものが出る時期でもある。なにしろ捕食相手が現れにくい冬であれば、厳しい局面にさらされやすい。市民からの通報が彼らを救う鍵となる模様。