10月27日、小雨降る石垣島南部の休耕田で、しきりに餌を探し回るのは、冬鳥のタゲリ。人が近づくと印象に残る妙な鳴き声「ミュー」。この響きを置き去りにサッと空に舞い上がるチドリ目チドリ科の野鳥だ。頭にあるカンムリ羽が特長で、白い体に翼の背が黒に近い深い緑。翼の先端が白いため、羽ばたくと実に目立つ。チドリの中ではケリに次ぐ大きな種で、翼を広げると82センチから87センチほどある。タゲリはユーラシア西部・中部で繁殖し、ヨーロッパ南部、アフリカ北部、小アジア、中国南部で越冬。日本には冬鳥として飛来し、本州中部以西で越冬。八重山では例年現れる定番の冬鳥。背と翼の上面がよく見ると金属光沢を思わせる美しい緑色で、愛鳥家には人気の野鳥だ。