3月20日、午前10時頃、石垣島磯辺で、遥か頭上を飛ぶ猛禽類が大きく円を描いているのを確認。この時期2羽で円を描くのは、カンムリワシのペアリングのケースが多い。ただ、これが破格に高く舞い上がり、点になるまで登って消えた。実はカンムリワシはそんな高度に飛ばない。カンムリワシであれば「ピッヒー」と、大声で鳴くはずだが、まったく聞こえない。後に撮影した写真を確認して、驚いた。撮影したそのペアは、腹が白い。翼が大きい。ミサゴだ。島に越冬するために飛来したミサゴが、今、南へ去ろうと空高く舞い上がり、北へ向かったのだった。2羽が共に雲に消えた2時間後、石垣島は強風が吹き、強い日差しが及ぼした気温の上昇を、また引き戻した。果たして、雲の上の2羽のミサゴはどうなったのだろうか。雲を越えて舞い上がれば、広大な雲海の上だ。北へ帰る意志を胸に、上昇気流を捕まえた彼らは、偏西風に身を任せて、乗るのだろうか。