旧正月行事で賑わう黒島

旧正月行事で賑わう黒島
旧正月行事で賑わう黒島
旧正月行事で賑わう黒島

 八重山は基本的に新暦で正月を祝うが、神に仕える神司はこの旧暦の1月1日に、御嶽で祈願をしている。神司によって、年頭の祈願として今年一年の氏子らの無病息災と家内安全が祈られている。沖縄本島でも南部では、糸満の漁師の家々では旧正月に仏壇に供物と線香を上げる。八重山には、明治時代に糸満からの寄留者が多数いて、彼らはやはり糸満同様に、旧暦の正月仏壇で供物と線香を上げて、一年の無業息災、家内安全を祈願する。一方、竹富町黒島では、旧正月を祝って毎年大綱引きが行われており、1月31日午後2時から黒島芸能館前で、東筋村の字民による大綱引きが行われた。八重山各地の御嶽でひっそりと行われる御嶽の祈願とは対照的に、賑やかに正月行事が黒島では実施されている。以前に、綱引きをやったとき豊作の年となったことから、豊年祭とは別に綱引きを実施したとのこと。開催日は、様々変化して、最終的に旧正月に落ち着いたとのこと。
黒島芸能館の前で南北ふた手に分かれて、新たな年が豊作になるよう願いをこめて歌われる「正月ユンタ」が、掛け合いで歌われると、各家々から続々住民が集まった。東筋の住民だけでなく、石垣島から駆けつけた東筋出身の郷友も合流。隣接する村からも人が訪れて、本土からの観光客と共に祭りを遠巻きにして、新年の行事を見守っていた。その数170から200人。歌が終わると、長刀と鎌の武者が人が支える台の上で殺陣を見せるツナノミンが行われた。決着が付かぬ筋書きで、いよいよ大綱引きがはじまり、観光客も参加して盛り上がった。この日は南が勝利して、豊作が約束され五穀の引渡し式が行われていた。

この記事をシェアする