第4回石垣島やきもの祭り

第4回石垣島やきもの祭り

 石垣島で焼き物作りに励む事業所が毎年実施している「石垣島やきもの祭り」。今年も12月27日と28日に二日間、石垣市民会館中ホールで開催。27日は800人以上の焼き物ファンが来場して個性豊かな焼き物の数々を物色。気に入った器を買い求めていた。今回で4回を重ねる石垣島やきもの祭りは、第一回目の開催から手探りで運営。毎年、実行委員会の会長を持ち回りで実施し、各業者協力して年数度の会合で、話し合いを持って進めてきた。石垣島は、質の良い磁器土があることで知られ、復帰後から焼き物に取り組む業者があったものの、組合をつくるなどして、まとまりを持って活動することがなく、行政主導で結成しても活動はなく、一部が集って作陶展をするにとどまっていた。それが島の磁器土のヤードが完成し、購入可能となり、また大浜工房が水肥土を販売するなど、陶芸の環境が整って、作陶に関心高い人の移住も手伝って、多くの業者が生まれ、そこで宮良断氏の呼びかけで第一回開催が実現。以後毎年実施されて、島の焼き物ファンには大いに喜ばれている。島の焼き物屋が一堂に集うイベントとなると、人目見てみたいと、毎年好評。昨年は手作り展が展示ホールで開催されていたのもあって、2500を越す入場者が足を向けた。今年は、開催日が思うような日に取れず、年の瀬迫るで、しかも金曜と土曜開催に決定。というこれまで日曜に絡んだ開催からすると異例の日程で、参加者も断円する人が出て、参加者激減から、前々から離島からの参加の声もあり、与那国1社、竹富1社、西表1社の、参加を実現。石垣島のものと離島のものを比べることで、また意義も深まる。4度目ともなれば展示する業者の工夫も目立ち、会場各ブースの焼き物が個性豊かに感じられるのも、店ごとにアッピール点を絞ったからかも。このほか会場には、出展者で持ち寄って用意した福袋的な「やきものBOX」が、3000円(6000円から8000円相当)と5000円(9000円から1万5000円相当)の2種用意。各12個があっという間に完売となり、人気のほどが分かる祭りになっていた。出店業者からは「来場者から直接どんなものがほしいと要求されたりして、勉強になります。」と言った声や「出展者同士で刺激にもなり、有意義です」と互いに意欲的に取り組んでいるのがわかるコメントも。また「今回は、日曜日が開催されないのを知らない焼き物ファンが出そうで、ちょっと心配」という声も聞かれた。なお、次回は早めに日時を決定。2014年11月29日と30日の二日間に実施される。八重山における工芸の世界の一角、「やきもの」が盛んになることを市民が期待する理由は、やはり良質の磁器土に恵まれた石垣島の利点を、個人の個性を伸ばすところで利用されるのを望むから。間違っても島外の陶工に大量に搬出されてしまう事態は避けたいところ。 

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