ヤラブ(和名:テリハボク)が開花している。オトギリソウ科の常緑高木で、太平洋諸島、東南アジア、インド、マダガスカルなどの海岸知覚に分布する。世界の熱帯・亜熱帯で広く栽培されている。日本では南西諸島と小笠原諸島に自生する。沖縄では福木などどといっしょに防風林用に植えられるが、とも植えられたモクマオウの成長の早さから、日照を失い、生存競争に負け、沖縄の農業用の防風林イコール「モクマオウ」が定着。しかし、実際はこのヤラブが生育しきるまでのつなぎのモクマオウでしかなかったはずで、防風林整備の失敗例となった。成長が早く寿命が短いモクマオウを植えつつ、ヤラブと福木を慎重・確実に育てるはずのものが、モクマオウと雑草エリアでしかなくなり、害虫害鳥の隠れ家になってしまった。ヤラブが成功していれば、大木となり雑草は日陰で抑えらられ、農家の休み場になり得たはず。公共事業の趣旨が伝わらないと、かくなるという典型の事例。亜熱帯の木であれば、島には親しみ深い木で、多くの住民が好む木だ。島の開発が進み、潮風が直接土地に吹き交うため、島全体の乾燥化が進む傾向にある。それは島の生物の激減を意味し、多彩な生物相が薄くなって、やがて砂漠化の方向に向かう。カラ岳や平久保半島北部の山々に見られるハゲ山的な光景を、島の随所に発生させることになる。時間と共に、循環する水の量が減れば、知られず絶滅する生物も多数出ることに・・・。極端な乾燥化を防ぐべく、防潮林、防風林は、このヤラブに任せたいところ。