雨の石垣島の4月27日、新川川河口ではキアシシギの小さな群れが北上する途中に舞い降りて、岸で腹ごしらえにまだ潮が引く前の波洗う石に集まって、干潮を待っているのがみられた。じっと、海辺を見つつウトウトするものもあり、のどかな光景の中、わずかに干上がった岩場を見つけると、一羽がさっと移動すると、ほかも一斉に移動。しきりに餌をついばみだした。足が黄色いのでついたキアシシギ。珍しいシギではない。冬はどこでも見られる冬鳥だ。ひとつの石に束になって干潮を待つのは、時間とともに潮が引くことがわかる彼らだから。黙々と岩場でいっしょにじっとしている。これまでも、こうしていっしょに待つことが多いのかもしれない仲の良い一団なのだろう。食卓で母の運ぶ食事を待つ祖父母や父子らの、どこか平穏な家族がもつ雰囲気が、そこにある。見ず知らずの土地であっても、彼らはかくも平穏に仲間とともに、浜が干上がるのを持つ。巷はゴールデンウイーク。旅の途上に幸あれ。