カンムリワシ放鳥

カンムリワシ放鳥
カンムリワシ放鳥

八重山で相次いでいるカンムリワシの保護だが、完治してリハビリ後、無事放鳥も実施されている。今年保護された個体では初となる放鳥がこれで、4月6日午前9時半から石垣市名蔵の石垣やいま村で国の特別記念物のカンムリワシの放鳥が行われ、50名近い近隣の市民が見守る中、カンムリワシは勢いよく大空に飛び去った。これは今年2月27日に石垣やいま村の入り口で衰弱して保護されたカンムリワシの幼鳥で、保護直後は472グラムの重さで、危険な状態になっていた。その後、平田動物病院で治療され、3月6日からはカンムリワシリサーチに移行してリハビリ治療を続行。野生復帰に必要な体力が回復したとの判断のもと、この日の放鳥に至った。この日の体重は900グラムと、保護時と比べると倍近い重さに復帰。石垣やいま村の担当者渡久山さんの手からカンムリワシは無事放鳥された。第一発見者や関係者の心配をよそに、カンムリワシは見事に空に舞い上がり、遠い雑木林に消えていった。ただ、しばらくするとカラスが鳴く声が飛び去った方角から聞こえ、さっそくカラスにプレッシャーを与えられているようであった。昨今のカラスの増加が、カンムリワシの幼鳥の生息を脅かしているのが想像できる模様。集まった市民は、カンムリワシが元気になった様子に安どしたようで、軽快に飛び去ったカンムリワシを確認して帰途についた。カンムリワシの保護は今年に入って8件目。死亡が5件(交通事故死4件、治療中の死1件)で、最近では3月31日に、カンムリワシが農具の一種でキジよけの網にかかって保護されている。このほか、沖縄本島の「動物たちの病院」に送られているのが一件と、今回の放鳥の計8件。関係者に聞けば、カンムリワシの交通事故が増えており、この時期のカンムリワシは餌を求めて、車道のロードキルの屍を取りに舞い降りることがあり、そこで交通事故にあう件数が多いとのこと。ドライバーには注意喚起が求められる。

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