ラメ入りの昆虫がいるとは驚き

ラメ入りの昆虫がいるとは驚き

最近、八重山諸島固有の種であるヨナグニコガネを見る機会があり、その美しさに驚かされた。夜、電気をつけて虫を集めている人があったので、声をかけるときれいな虫を見せてくれた。ラメ入りのコガネムシだった。グリーンが光っている。欲しがる気持ちが分かった。こんなきれいな昆虫が石垣島に存在しているとは、思いもよらなかった。しばらくすると観光客グループが現れて、同じく昆虫を見せてもらっていた。こちら同様に驚いていた。「捕ってどうするんですか」と、まともに聞かれて「それを言われると困っちゃう」と見せた側が笑っていた。「趣味なんです」そう言って納得してもらっていた。観光客は集まる蛾がおもしろい形やきれいな色のものがあって感心していた。観光客にはラッキーな出逢いだった。お礼を言って、彼らは去って行った。やはり、捕る側は罪を感じているようだ。しかし、野放しの捕獲合戦を、コントロールする方向にいくには、捕っている人同士で、話し合う必要がある。一般には昆虫がいなくなっても何ら関心がない。絶滅すれば昆虫好きには、大問題だ。八重山の教育委員会が動いた話は聞かない。きれいな虫がいると知れば、逆に捕獲に走る人が大量に出ると考えるからだろうか。いや、仕事が膨大に増えるからだ。対処のしようがなくなる。いわば、行政に昆虫捕獲の制御能力がない。だから愛好家の良心に任せて、黙っているしかない。アサヒナキマダラセセリにしろ、乱獲は看板を出せばいいわけではない。守る取り組みに、どれだけ力を注げるか。やっているところを見せて欲しい。昆虫愛好家は、島の乾燥化を憂えている。雑木林が減り、亜熱帯特有の生物が多数生息できる場所が、極めて劣悪な構造物の開発で台無しになっている。虫を捕るより、重大なことだ。

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