3月21日に石垣入りした岩手県からの一関学院高校野球部。3月23日は八重山商工高校と練習試合を実施。礼儀正しい選手らは、とおりすがりの誰にも挨拶を励行。律義さが目立つすがすがしい選手らに見えた。2010年から一年置いて、2012年、そして今年と、3回目の合宿。強豪高校が合宿に来てくれて、地元の高校との試合が見られて、実にうれしい。この日、相変わらずの伊志嶺吉盛監督の大声の罵声が聞かれて、ショウコウらしい戦いだった。あまりの声の大きさに球場全体が沈黙する異様な雰囲気だったが、それもらしさだ。八重山商工の速球投手だが、四球ですぐピンチになる不安定さが目立った。一関はそこを利用して点数をあげる。やはり、対戦相手の様子を見切って作戦が立てられるチームが強い。長所に頼るばかりでなく、自チームの欠点をなくして相手の欠点を引き出す作戦で、勝利を呼び込む仕掛けができるチームが頭を使って戦える。インタビューなどで「長所を引き出して戦う」という監督は多いが、「対戦相手の欠点を引き出して戦う」とは、高校生球児を率いては口が裂けても言えない。しかし勝負の厳しさは、高校生自身が実体験で学ぶ。高校生に言葉では伝えられないものを、伝えることがスポーツにはできるということだ。何でも口にすればいいというものではない。スポーツは、言葉にできないものをつかめる能力を養えるか否かにかかっているかも。さて、八重山には大学野球がたくさんキャンプにきている。大東文化大学、慶応大学、共栄大学など。また高校も一関学院だけでなく、横浜隼人、聖光学院もキャンプインした。スポーツ関係者には注目のキャンプ地になりつつある。なお、この日の一関学院と八重山商工の一戦は4対4で引き分けだった。