タシギ飛来

タシギ飛来

冬らしい本格的な北風が感じられる八重山となって、冬鳥も多種類が島に渡っている。11月29日、石垣島の平田原では、極端に長いクチバシを持ち、用心深いことで知られるタシギが、一期米の代掻きを控えて水を入れた水田に現れ、餌を求めて土の中にクチバシを差し込んでいるのが見られた。発見もしがたく、見つけて近づこうとすると、警戒心からすぐに逃げられてしまうタシギ。長いクチバシから、飛び去るときにようやくタシギとわかる野鳥だ。そんなにまっすぐでよいのかと思えるクチバシは、扱い難くそうに長いときて、バランスの悪さがこの野鳥の特長だ。ユーラシア大陸北部・北アメリカ北部で繁殖。ヨーロッパ・アフリカ・中東・インド・東南アジア・北アメリカ南部で越冬。日本には、旅鳥あるいは冬鳥として飛来する。日本では田でよく見られるシギだから「タシギ」と名がついているというが、まず注意しないとわからない。フランス料理で使われる鳥で、コモン・スナイプと英名には、狙撃(スナイプ)の名がついている。タシギ猟からついたとされ、西欧では食材でありカモ的存在。警戒心が強いわけだ。肉は柔らかくておいしいらしいが、名が田んぼのシギでは鈍臭く、日本では誰も捕って食べようとしない。

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