少しずつ肌寒さが気になる亜熱帯八重山に一足早い冬の使者だ。11月6日午前10時頃新川川河口に久しぶりの顔が登場。赤い足に赤いクチバシ、白い姿のカモメは、ユリカモメ。しばし河口で休んだ後、平田原に移動したユリカモメは、二期作収穫最中のコンバインを横切り、水に浸ったままの休耕田に舞い降りた。長旅の疲れを癒やすかに、ウトウトしながらじっとして、淡水で休息をとっていた。ユリカモメは、チドリ目カモメ科の野鳥で、ユーラシア北部、イギリス、アイスランドで繁殖し、冬は南下して冬鳥となる。ユーラシアやアフリカの赤道まで南下するものがあることで知られる。日本では冬鳥として北海道から南西諸島まで全国に飛来。今季も、日本最南端の八重山諸島まで彼らが飛来。赤い足で足跡を、残している。新参のカモメ登場に、ツバメ数羽が近くを併走するように飛翔してみせたり、アマサギ一羽が横切るなど、歓待なのか警戒なのか、ユリカモメも落ち着き場をいくつか変更しながら、舞い降りる場所を選んでいた。カモメの飛来は、シベリアからの長旅を感じさせ、愛鳥家にはロマン溢れる冬の歳時記。新川川河口や平田原などに、遙か北からの使者ウミネコやセグロカモメがこれから揃ってくれば、八重山に冬がぐっと近くなる。