渓流の番人 コナカハグロトンボ

渓流の番人 コナカハグロトンボ

7月6日石垣島北部の渓流の岩石の上でじっとしているトンボがいた。後ろ羽根の半分が黒く、ほかが透明で、腹が赤い。縄張りを持つようで、人が近づくと逃げる。が、またその場所にほぼ戻ってくる。まるで渓流を守っているかに、人の近づかない清水の流れの一角にかならず見られる。トンボの名はコナカハグロトンボだ(オス)。このトンボは3月下旬に成虫が現れ、12月まで見られる。メスは腹の模様が黄色く、水中で産卵することで知られている。渓流の涼しげな音とともにあるこのトンボは、石垣島と西表島の固有種で、県のレッドデータブック(2005年)の絶滅の恐れのある地域個体群とされている。

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