セイタカシギといえば冬鳥で、クロハラアジサシは旅鳥。6月7日、それぞれ一羽ずつが石垣島の水田で餌をついばんでいるのが見られた。それぞれ一羽であるためか、2羽は近くでたたずみ、外敵の接近を互いに知らせ合える距離で、休息をしていた。マイペースで動き回るセイタカシギに、その近くでゆっくり、飛び回るクロハラアジサシ。それぞれ、相手を避けることなく、周囲に警戒の眼をめぐらして、餌をあさっていた。セイタカシギは、冬に石垣島で越冬する群れがよく見られる。クロハラアジサシは季節を問わずに突如現れ、気がつくといなくなっている。この日、不思議に接近していた2羽は、やがて現れた人影を確認すると、あっという間に飛び去ってしまい、せっかく仲良くなりつつあった関係は、きれいに霧散。野生に生きる異種同士の野鳥のちょっとした友情物語だ。