ヤエヤマヒメボタル群舞

ヤエヤマヒメボタル群舞

4月に入って気温も上がると、いたるところで生き物たちの賑わう姿が見られる。八重山の山中では、午後7時10分頃から40分頃に、蛍の群舞が見られて、自然観察をする人を楽しませている。点滅をしながら飛び交っているのは、ヤエヤマヒメボタルで、体長はわずか5ミリ。しかし、彼らの発する光はそのサイズに比べて強く、そばで点滅していても姿はなかなか分からない。石垣島前勢岳やバンナ岳では、林道や整備された公園内で多数のヤエヤマヒメボタルの群舞がわずかな時間に一斉にはじまり、目当てに集まった見学者を驚かせている。短い時間内に続々現れて点滅をはじめて、その内に点滅のタイミングさえ揃ってくると、一際光が強くなり、幻想的な世界が展開する。大自然の神秘に触れるには絶好の自然観察だ。ホタル科ホタル属で、発光の仕方がヒメボタルに似ているためにこの名がついた。厳密にはヒメホタル属ではないため、ヤエヤマボタルと呼ぶ人も多い。昨今、見学者を大勢引き連れてガイドが群舞を見に集まるが、遠慮のない懐中電灯の点灯で、短い時間に交尾をねらう彼らの妨げを平然と挙行。これが個体数の減少に影響するという研究者もある。客への遠慮が先行すれば、ホタルを見に行って、逆にたくさんの懐中電灯の群れに感動するなんて、逆転は勘弁。

この記事をシェアする