竹富方言辞典が菊池寛賞受賞で会見

竹富方言辞典が菊池寛賞受賞で会見

財団法人日本文学振興会から日本文化振興に貢献した個人・団体に贈られる菊池寛賞の第59回受賞者が10月19日に発表され、ワールドカップ女子サッカーで優勝したなでしこジャパンのキャプテン沢誉希氏とともに、竹富方言辞典(南山舎)の著者前新透氏が受賞。このほか河北新報、津村節子氏、新藤兼人氏、水戸岡鋭治氏など。県内からの受賞は3例目で、出版では初めて。受賞の理由は、「前新透氏が二十七年の歳月をかけて採集した方言を収録し、日本最南端の出版社から刊行されたこの辞典は、琉球語と日本語の古層、民俗を研究するための貴重な文化遺産である」というもの。10月19日、石垣市登野城の南山舎で記者会見がおこなわれ、会見の席上、受賞した前新氏は「多くの協力者により受賞できた。感謝しています」とコメント。出版した南山舎の上江洲儀正代表は「この受賞にかかわれてうれしい。」と述べていた。珍しいのは上江洲儀正氏が、元大宅文庫職員で、大宅文庫が菊池寛賞を受賞したときも同文庫に在籍。2度の受賞関係者で、中心と周縁の2つの場所で受賞していることになろうか。この日の会見の席上、前新氏は出版をこころよく引き受けてくれた南山舎の話にふれると、感極まって涙声になるシーンも。

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