国の民俗無形文化財「西表の節祭」盛況

国の民俗無形文化財「西表の節祭」盛況

500年の伝統を持つとされる国の民俗無形文化財「西表島の節祭(しちぃ)」が実施された。なかでも海で舟こぎ競漕が行われるユークイの儀式が10月12日開催された。西表島の干立集落と祖納集落の2箇所で開催される国の民俗無形文化財「西表の節祭(しちぃ)」は、農耕儀礼開始の節目となる祭りで、12日はちょうど二日目に当たる。初日は各家庭で儀式が行われもので、その翌日、集落挙げて海の彼方から幸を引き寄せようと、ユークイ行事が行われる。この際、熱気を帯びた祭りの参加者や多くのギャラリーで会場は盛り上がる。この日、祖納集落では正午から前泊海岸で、干立集落では午後2時30分から前の浜で、この西表最大の行事が盛大にスタート。初日を年越しの振る舞いと称して家庭でご馳走を食べ、2日目のこの日は、集落挙げて盛大にユークイ行事を実施するもの。この日、両集落ではミルクを迎えて舟漕ぎや狂言、棒芸、奉納芸能で盛り上がっていた。この2日目は農耕儀礼の正月に当たり、あらゆることが初物となり、狂言では櫂にまたがり、それを早馬に見立てて、初物の到来を一早く、大声で告げる若者の目出度い言葉でつづられ、正月気分を会場いっぱいに伝えていた。正月に、船で海に漕ぎ出し、櫂をこぐ理由は、この日満ち潮とともに神がやってくるとされており、その際、漕ぎ引き寄せることで、豊かな将来を手にしようというもの。節祭に詳しい人は、この日の節祭りの狂言は初物をいち早く伝えることを基調とした内容で、それが正月気分を高めると述べていた。

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