今年も川平で豊年祭がおこなわれた。石垣島川平の豊年祭は、川平の4つの御嶽(群星、山川、赤イロ目宮鳥、浜崎)で、御嶽プールがおこなわれる。「御嶽」は、沖縄本島ではオタケと呼ばれるが、八重山ではオンと呼ぶ。川平の豊年祭は、なぜかムラプールはおこなわれない。そして各御嶽では、個性ある祈願がおこなわれる。群星御嶽では、旗頭の奉納がある。その後に中岳に向かって祈願されるのは珍しく、その方向には群星(ムルブシ)と呼ばれる昴が種子を植える時期に現れる。種子の植え付け時期を知るために、観測されている。山川御嶽でも、旗頭の奉納がおこなわれる。赤イロ目宮鳥御嶽では、びっちゅる石といわれる石を担いで、庭を回ってみせる儀式がある。この石は、60キロはあるとされる大石で、力自慢によって肩に背負われるのだが、練習なしにこの日だけの挑戦となるために、なかな勇気がいる儀式だ。島でも一風変わったこの儀式を目当てに、訪れる島人や観光客が大勢ある。(写真は赤イロ目宮鳥御嶽のびっちゅる石の資料映像:2008年7月11日の撮影)