ヨットの前田親子が竹富町小浜島へ帰還

ヨットの前田親子が竹富町小浜島へ帰還

世界一周を遂げたヨットの前田博(59)・佑樹(23)の親子が、1月17日の午後1時半頃に、旅の出発点となった竹富町小浜島の小浜港に到着。前田氏がこだわる小浜港への帰還で世界一周の成立とする旨が、小浜島の住民に伝えられていたこともあり、世界一周達成の歓迎セレモニーは大いに盛り上がり、到着直後には胴上げがおこなわれて、喜びを島人とともに共有していた。小浜婦人会や、小浜中学校のヨサコイソーランなどでも歓迎。前田博氏は挨拶で「世界を回って、八重山の海は世界でもっとも美しいことを実感した」と述べ、「今回、世界をめぐって見てきたものを島の多くの人に伝えたい」と、この体験を島に役立てていくことを述べていた。また息子の佑樹氏は「狭いエリアで、ずっと父といっしょにいることは大変だったが、トラブルなどが起こると父は頼もしかった」と旅の本音と実感を述べて、島人の温かい笑いを誘っていた。博氏が、「最初に世界一周を思ったのは、カヤマ島で仕事をしていたときで、達成できてよかった」と述べていた。そのときなぜ世界一周を遂げたいと思ったか、その理由をしつこく問う記者に「海を極めたいと思った」と応えて、「今回航海を終えてなお海が好きになった」とも。特別印象に残る海域はあるかと問うと、「世界のどこの海も、下は液体で、風と波がある。だからいっしょです。」と。ただ最も困難を感じた場所は、アフリカ最南端の希望峰を越えた直後、寄港地でヨットの破損が見つかり、半ば世界一周の断念一歩手前まできたこと。その後、徐々に気持ちを切り替えて、造船技術関係の仕事時代を思い出し、道具を探して自力で修理を開始。直せるまでが、一番辛い時間だったと振り返った。破損原因はヨット自身の金属疲労。わかったときが寄港地だったことが幸運だったと振り返った。前田博氏は、ヨットの国際レースに日本代表として5度出るほど全国で知られたヨットの達人。息子ら4人も皆ヨットレースをやり、3男はオリンピック候補者にもなっている。この航海は667日間で27カ国62地域を寄港し、約4万マイル(7万4000キロ)一周半を移動。寄港地では当地の文化に触れ、それをインターネットで紹介するなどしたほか、小浜小中学校や八島小学校とインターネットでテレビ通話で交流して、航海の様子を紹介しながら、地球環境の大切さを訴え、子ども達に夢と希望を与えた。海を愛してやまないヨットマンの存在を改めて国内外に発信する機会になったとともに、世界に八重山を紹介する機会にもなった模様。これから前田氏の八重山での活躍に注目が集まる。

この記事をシェアする