12月14日午後7時から国際農林水産業研究センターによる熱研市民公開講座が石垣市健康福祉センター視聴覚室で開催され、遺伝子組換えイネの開発について石塚琢磨主任研究員が講師に立ち、約20名の市民が講義に聞き入った。「アフリカ稲作への貢献を目指して」を副題に、アジアのイネとアフリカのイネの交雑種に由来する品種を、遺伝子操作でネリカと呼ばれる乾燥に強く収量も多い品種にしたことを発表。もっか2006年に、アフリカ全土で20万ヘクタール以上の作付けがあるとのこと。研究内容はほどほどに、このあと国際農林水産業研究センターにある形質転換実験棟と呼ばれる遺伝子操作実験棟について、スライドで施設内を参加者に公開。実験室や様々な計器を説明。このほか、遺伝子組換えに関する技術や用語や遺伝子組換え作物の安全性など、一般人が持つ遺伝子操作周辺で感じる危険性についても触れつつ説明した。扱うのは植物であるだけに、花粉が飛んで周辺のイネに影響を起こさないか、種子が野に出たり、大量繁殖するなど生態系への影響はないかなど、リスクを伴う側面も紹介。質問コーナーでは、日本では遺伝子組換え作物を避ける風潮が強い中、アフリカ向けに組換え作物づくりで支援するのはどう考えるかという声に、石崎氏は、日本では5%なければ遺伝子組換えではないと表示ができることを述べ、欧州に比べて厳しくない規制で、実際食べている可能性があることを指摘。アフリカから日本人が好まないものをつくっているといわれたら、そこはしょうがないと、アフリカでのネリカ米の普及が伸びていない点を述べつつ、組換え作物が生理的に嫌われている実態を認めていた。それでも食料難の実態を救う手立てとして、必要性を強調していた。